皆様、こんにちは。リオデジャネイロ五輪が開幕し、猛暑に負けないほどオリンピックモードになってきました。とりわけ柔道と競泳の活躍が目立ちますね。その中でも、今回は1964年東京五輪以来のメダル獲得となった、男子800mフリーリレーについてお届けします。
下馬評ではメダル圏内と言われていた男子800mフリーリレー。出場選手(萩野・江原・小堀・松田)のベストタイムの合計は、2015年開催の世界選手権の銅メダル相当でしたが、記録だけでは勝てないのがオリンピックをはじめとする世界大会の恐ろしいところです。今回出場する競泳陣で最年長になる松田丈志選手は、オリンピックもこれで4度目。個人でもリレーでも過去にメダルを獲得しています。しかし、今回は個人種目を辞退して、この800mフリーリレーの出場のみとなりました。
松田選手と言われてピンときた方は勘が鋭いです。(※もうニュースにもなっていますが。)思い出すのが前回大会のロンドン五輪のあの一言ですよね。彼は、200mバタフライで銅メダルを獲得し、メドレーリレーのメンバーでもありました。メドレーリレーのメンバーの中には、平泳ぎで世界を席巻した北島康介選手がいましたね。北島選手は、ロンドン五輪では平泳ぎ2種目に出場し、メダルを逃していました。そしてメドレーリレーを迎え、松田選手は、北島選手以外のメンバー、入江陵介選手・藤井拓郎選手にこう伝えたとレース後のインタビューで応えていました。「康介さんを手ぶらで帰らすわけにはいかない。」北島選手のために、残りの3選手はしっかりバトンをつないで銀メダルを獲得したことは有名なエピソードでした。
そして、今回は若い3選手が松田選手のために、「丈志さんを手ぶらで帰らせるわけにはいかない。」という思いでしっかりつないで東京五輪以来の銅メダルを獲得しました。自分のために活躍することも大事ですが、誰かの為に精一杯つなぐという意識は、選手自身のメンタルなところにも影響しているのではないかと推測します。メンタルを強くすることで大事なこととして、「自己肯定感を高める事」「ストレス耐性を上げる事」が挙げられます。ストレス耐性は日頃のトレーニングで向上させることが出来ると思いますが、「自己肯定感を高めること」は、レースを進める上でどのように心をコントロールするかが鍵になります。今回の松田選手を盛り上げた3選手は、盛り上げることで励みにし、自己肯定感を上げたのではないかと思います。これを慣習と呼ぶのはいけないのかもしれませんが、これからの日本の競泳界を盛り上げるためにもぜひ自然発生的に続けて欲しいと思います。
マンティー・チダ
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