週刊GIGマガジン

2016年10月号 vol.27

編集後記(10/4)

2016年10月04日 23:45 by showky
2016年10月04日 23:45 by showky
 京都に暮らしてると、車の必要性がほとんどないのよね。昔はバイクでどこでもスイスイ行ってたけど、最近は例の緑の服の方々が理不尽とも言えるやり方で情け容赦なく取り締まっていくので、目的地についても止めるところがないから、乗らないまま置いてたら壊れちゃってさ。別に取り締まるのはいいけど、それならかわりにちゃんとバイク用の駐車場をあちこちに用意しろよな。
 そんなこんなで結局は自転車がベスト。遠出するときは電車。ほんとに車が必要な時はレンタカーでじゅうぶん。なにせカーナビは完備だしiPhoneの音楽も無線で飛ばせてカーステレオから聞けるし、つねに綺麗だし、メンテナンス不要で言うことなし。
 ところでそのカーナビ。どんどん性能も上がってきてて、ちょっと前なら曲がるタイミングが合わなくて曲がり損ねたり、できたばかりの高速道路なんかがセットアップされてなくて遠回りさせられたりしたもんだけど、そういうことも無くなってきましたな。
 それでもまだ難しいのは、知らない土地での高速道路を降りるときで、そこが複雑なジャンクションになってたりすると、3つの道のどっちに行くの!とか叫んでるうちに降り損ねて遥か遠くまで行く羽目になったこととか、あるでしょう、あなたも。
 カーナビのなかった時代は、出発前にしっかりと分厚い道路地図で自分が走る道を確かめ、少なくともどの方面からどの方面に行くかの地名を頭に入れてたから、とりあえず案内標識を見てたらどっちに行くか判断できたけど、カーナビに頼り出して以来案内標識を見ないし、見ても知らない地名ばっかりだともうパニック。そんなこっちゃあ、いざ何か不穏なことが起こって電気が止まったりインターネットや電話が使えなくなったら、生きていけないぢゃないか。
 築地市場の問題もそうだけど、日本はわりと簡単に古い建物を壊してしまうから、記憶にあるはずのランドマークも当てにならなかったりして、知ってる(知ってた)はずの街で迷ったりもして。実際、30年ぶりくらいに母校の高校に行こうとしたときに、駅からの風景から校舎から、何から何まで変わってしまってて、3年間通った道がわからずに、iPhoneの地図アプリでやっとたどり着いた有様。
 星新一のショートショートの中にも、あまりにも文明が進みすぎて、電気が止まっただけで人間は何かを食べることすらできなくなり、暖を取ることもできず冬の中で人類が滅びてゆく作品があるけど、パソコンとインターネットのない生活がもはや考えもつかない今の暮らしも、ゆるやかにそんな風に向かっているのかも。いかんいかん、アナログな仕組みをちゃんと知っておかないと。たまにはテクノロジーに頼らず記憶と地図を頼りに動くことをしておこう。
 古い建物も、記憶をさかのぼれるようになんとか残して欲しいよね。今度10月10日に「サウンドパーク」を開催する大阪城野外音楽堂は、ありがたいことに、僕が高校生の頃に初めてイベントをやった時のそのままの姿が残っていて、自分の来た道がわかる僕の中ではとても大事なスポット。「サウンドパーク」も今年で4年目で、参加したみんなにとっても、一生の記憶に残るメモリアルなイベントになるよう、今年も楽しい1日にしてみせるよ。

冴沢鐘己

・10月10日(月・祝)大阪城野外音楽堂「サウンドパークVol.4」
出演:TIME FOR LOVE、BBガールズ、永樹、籾井優里奈、安部美香、あきっすん、山下圭志、ゆうしゅん、小栗栖ゆかり、西村美紀、曽我未知子、伊藤直輝、如月凛、久保翔子ほか

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