週刊GIGマガジン

　BBガールズのニューシングル「風のファンタジスタ」のPV、いわゆるプロモーションビデオが公開されました。もちろん今回も僕が演出と編集をしましたが、撮影は映像制作会社の方に来ていただきました。いつもは撮影も僕がするんだけどね。今回は特別ゲストに京都のサッカーチーム「アミティエSC京都」の岡本秀雄選手が出演してくださるということで、確実に"いい素材”を確保したかったのです。

　ひと昔も前なら、映像を創ることはもちろん写真を撮ることですら、コスト面での最初のハードルがとてつもなく高くて、情熱はもちろん経済的あるいは環境的な状況が整ってなければ、思う通りの作品を作れるまでの技術や経験をものにするのはなかなかに難しかったんだけど、今ではiPhoneひとつで写真も映像もハイクオリティのものが作れるご時世。そのおかげで僕も、Macを使うようになって以降、音楽もデザインも映像もいろいろ思う通りのものができるようになったのだけど、それでもやっぱり「基礎力」の重要さは失われていないと感じるのです。

「基礎力」って何かと聞かれれば、例えばラジカセを2台つないでギターと歌をオーヴァーダビングする、みたいなこと。わかんないですよね。例えも古いし。

　あれは高校生の頃。まずカセットにギターだけを録音して、そのカセットの入ったラジカセを別のステレオコンポに繋いで、さらにマイクをつなげて歌やリードギターを録音するってなことをしたくて、接続方法を近所の電気屋さんに聞きに行ったものです。

　その後、そんなことが1台でできるMTRなるものを手に入れた時、その仕組みがすぐにわかって、さらにその遥か後、パソコンで音源を作る時に、シーケンサーなるものの仕組みがすぐに飲み込めたのも、その手順を経験してたからこそ。

　デザインについては、印刷屋さんでアルバイトしてた時に教わったことが基本になってるし、映像については、昔の友人に映画研究部の奴がいて、そいつが言った「映画の基本は"絵の繋がり”」という言葉が僕の土台になっているのです。

　もともと好奇心は強いので何にでも手を出すクセはあるけど、基本を齧ることでいっそう"その道のプロ”の凄さもわかるので、あるレベルにまで達したら、なんでも自分でやろうとせずにどんどん人に任せようとは思っているのね、これでも。

　ただ、頭の中のイメージを伝えるためにはそのための"言葉”を知る必要があるので、いちおう何にでも頭をつっこんで、"核”となるものを知っておきたいのです。

　先日の「わくわくシティーパーク」では、進行や演出を大幅にリニューアルしました。それまではよくある"フリーの音楽コンサート”だったものを、もっと"映像的”にしたかったのです。もろもろの理由があって（それはまだ秘密）。

　なぜそれが今なのかと言えば、メンバーが"そのレベル”に達してきたから。

　自己満足からエンターテイメントへ。少しずつステップアップしながら、もっともっと可能性を広げていきたいよね。

「風のファンタジスタ」のPVも、限られた時間や予算の中ではベストを尽くしました。それがまた、次の可能性の扉を開けてくれるでしょう。楽しみですな。

冴沢鐘己

・7月9日（土）10日（日）京都府「伊根町アウトドア＆音楽フェス in本庄」

会場：京都府与謝郡伊根町本庄浜区

出演：TIME FOR LOVE／BBガールズ／籾井優里奈／あきっすん/山下圭志ほか

MC：曽我未知子／伊藤直輝／西村美紀／如月 凛／金子まさ江

主催：伊根町観光協会

〒626-0424 京都府与謝郡伊根町亀島459 TEL 0772-32-0277

・8月13日（土）京都 ゼスト御池「わくわくシティーパーク」

出演：TIME FOR LOVE、BBガールズ、籾井優里奈、安部美香、あきっすん、山下圭志、西村美紀、曽我未知子、伊藤直輝、如月凛、久保翔子ほか

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発行：特定非営利活動法人エフエム・ギグ（fm GIG）

編集責任：冴沢鐘己、曽我未知子

協力：PALMTONE RECORDS

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