週刊GIGマガジン

2017年02月号 vol.45

編集後記(2/21)

2017年02月22日 22:14 by showky
2017年02月22日 22:14 by showky
 運転免許証にはゴールド免許という制度があって、一定期間まったく違反をしなければその恩恵に預かれるわけだけど、一番の恩恵はなんだと思いますか。僕に言わせれば、それはもう何と言っても"講習の時間が短い”に尽きますよ、ね。90分間とか、あの硬い椅子に座り続けるなんて無理っすよ。受験生の頃とか、毎日一日中座り続けてたなんて、今となっては信じられないこと夥しい。
 住めば都と言うが如しで、人間というのは慣れる生き物だから、例えば現状が苛酷であったとしても、意外と当事者はさほど苦痛とは思わずに生きていけるものなのね。硬くて狭くて冷たい椅子だったとしても、小学校も中学も高校もそうだったから、それはそんなもんだと思って平気で座ってる。
 ところが、社会に出てから座る椅子は、だいたいどんな職場でもお店でも家でも、クッションがそれなりに効いてるもんだから、いつのまにか学校の椅子がどんなか忘れてしまって、久しぶりに座った時にその辛さに愕然とするのよね。
 大きな家具屋さんに行くといろんな椅子があって、モデルルームっぽいところのお客も座れる椅子なんかは見るからに快適そう。座ればもちろん快適。でも値段もそれなり。いつかはあんな椅子に座れるように頑張るぞ、なんて密かに心に誓う人もいるかもしれない。中には負け惜しみのように、あんな柔らかい椅子はよけいに腰を痛めるから、座り慣れた硬い椅子がいいや、なんて嘘ぶく人もいるかも。
 でも、椅子っていうのはそれ単独でチョイスされるってことはないのね。部屋はもちろん、暮らしぶり全体の環境で椅子は選ばれるわけで。極端な話を言えば、気がついたらその椅子はそこにある。そこに座る。慣れる。それが当たり前の暮らしになる。1万円の椅子に座るときはそういう生活水準で、10万円の椅子に座りときはそれ相応の暮らしぶり。だから、椅子ひとつに一喜一憂することもないのですよ。
 今、座っている椅子がそれなりに快適なら、それはそれなりに相応の暮らし。いつしかその椅子がどこかしっくりこなくなって、もしかしてストレスなんかも感じ始めたら、それは椅子が悪いのではなく、あなたのもとに新しい椅子がやってくるよという兆しなのです。もちろん椅子が単独でやってくるわけではないから、きっとあなたのいる環境そのものが変わり始めるよというサインなんですよ。だからまずはウキウキしてみよう。
 もちろん椅子はひとつのたとえ話。ずっと何事もなく楽しい毎日だったのに、近頃なぜか胸がざわついたら、逆に何が起こるのか、楽しみにしてごらんなさいな。
 それにしても、運転免許試験場の硬い椅子になんとも感じてなかったら、きっと講習も辛くないんだろうね。僕は辛いから、もう二度と交通違反はしないぞ。そう思えるほどは大人になっててよかった。

冴沢鐘己

・2月26日(日)大阪 門真Ps Cafe「天パー祭り」

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