世の中には2種類の人間しかいない。「売れるかもしれない」やつと「絶対に売れない」やつだ(by 冴沢鐘己)。
 木を見て森を見ずって言葉があるけど、全体像を客観視するって、なかなかに難しいよね。僕は町工場街で育ったものだから、ネジなんだかナットなんだかよくわからない小さな部品を見ることが多くって、そこでアルバイトなんかもさせてもらったりしてたのよ。職人さんたちはコンマ数ミリの世界で仕事をしてて、鉄や銅やアルミの長い細い棒から、毎日何百個とそんな小さなものを削り出してて、たまに聞いたりするのね。これは何の部品なのって。返事は決まって「さあなあ」。
 本当に知らないのかもしれないし、職務上の秘密事項なのかもしれない。噂では飛行機の部品だとか、自動車の部品だとか、ロケットの部品だとか。とにかくひとつひとつが不思議な形をしてたのはよく覚えてるよ。
 一方で、遠征やイベントでたまに大阪港や名古屋港のあたりを車で走ると、コンビナートのような巨大な工場が見えたりするじゃない。あんなデカイものをどこで作ってどうやって持ってくるんだろうとか、あの何十メートルものてっぺんにある突起物はなんのためのものなんだろうとか、いつも興味津々。あれを設計する人たちは、あのスケールをイメージしながら、何ミリ・何センチの部品までデザインするのよね。当然ひとりでできる仕事ではないし、自分自身ですら小さなネジのサイズに落とし込んで、巨大な建造物の一部になれないと、きっとそんな仕事はできないような気がするのよ。
 すぐれた技師や職人さんが、削り出されたばかりの部品の一部や、ラフな設計図を見ただけで、それが「正しい」ものか「間違っている」ものか判断できるように(だってそれができないと、無駄なコストがかかってしかたがない)、才能や素質も、見る人が見れば、花が開くか開かないかも直感的にわかるものだと思うのよ。
 ネジ工場の職人だった僕の叔父さんは、次々と削り出されてくる小さな部品を一瞬で見分けて、不良品は横へハネていってたのよね。「どこで見分けるの?」って聞いても、「見てたらわかる」って返事しか返ってこなかったけど、今ならその意味が少しわかる気がする。ああ、この子は「売れるなあ」とか「絶対売れないよなあ」とか、そんな気がする時がある。もちろんそれなりに判断理由はあるよ。企業秘密だけど。
 こればっかりは答えが出るまでにえらく時間がかかるから、簡単にそれが正しいかは証明できないけど、どうせなら「売れる」と判断される側でいたいよね。

冴沢鐘己

・12月3日(土)大阪 鶴見緑地公園「咲くやこの花館」
〜ウィンター・ナイト・ガーデン〜咲く"夜”この花館
場所:鶴見緑地公園「咲くやこの花館」
出演:TIME FOR LOVE、BBガールズ、籾井優里奈、あきっすん、山下圭志、創(HAJIME)&絵理
司会:曽我未知子
入館料:高校生以上 500円 小学生から中学生 200円
17:30〜21:00

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