週刊GIGマガジン

2016年05月号 vol.5

編集後記(5/2)

2016年05月03日 10:04 by showky
2016年05月03日 10:04 by showky
 例えばプロ野球選手を目指す少年は、いずれ日本シリーズの舞台でホームランを打つことを夢見ながら、それがどれほど長く厳しい戦いかは、きっと無意識にでもわかってると思うのね。なぜなら、つねに自分の目の前には怖い監督と凄い先輩がいて、1試合1試合確実に結果を残して認められないとチャンスは来ないことがわかってるから。
 5月1日(日)には道頓堀で仲間たちと一緒に「いじめ撲滅ボクシング大会」のお手伝いがありまして、僕らが歌う前に少年たちのボクシング大会(スパーリング)があったのだけども、どうですか、ボクシング。目の前で見たことがありますか?
 もちろんプロボクシングは、そばで見るとそれはそれはものすごい迫力で、パンチの速さと衝撃音に声を飲んでしまうんだけど、小さな子供たちの試合も、なかなかの迫力だったのです。なんてったって殴り合いなので、ちょっと気を緩めたら直接的に痛い思いをするわけで、そりゃ必死。顔面にパンチがヒットして鼻血を出して試合を止められた男の子の悔し涙は身にしみてわかってしまう。
 「がんばれ元気」というボクシング漫画が僕はとても好きで、心に残るいくつもの場面の中のひとつ。主人公の堀口元気が目標とする無敵のチャンピオン関拳児は、その並外れた才能のために若い頃から対戦相手を馬鹿にする傾向があったのだけど、元気の父であるシャーク堀口と戦ったとき、"才能や素質だけでは倒せない恐怖”を初めて味わうのね。そこから彼の人生も、主人公の人生も大きく変わるのだけど、そこから学びとるのは何なのか。
 音楽の世界も実力が全てというのはそうなんだけど、スポーツほど実力の差がわかりやすく結果で見分けられるわけではないから、気づかないうちに「実力差」や「格差」を甘く見ることがあるのね。
「あんな子より自分の方が実力があるわ」とか「大きなチャンスがきたらすぐに結果出せるのに」とか「テレビに出れさえすればすぐに人気者になれるのに」とか、遠い場所から思ってませんか。僕は思ってました。昔からずっと。
 そんな僕はある時期から武者修行のようにいろんな場所に飛び込んで、うまい人のステージを見て衝撃を受けたり、悔しい思いをしたりしながら、少しずつ見えない壁が見えるようになって、ようやく最近壁を超える力を覚えたような気がするのです。
 負けて初めて勝ち方がわかるというのはどの世界でも事実なので、でも負けてばかりでは辛いので、勝つための負け方を覚えて、そこで確実に勝ちパターンを積み上げて、ひとつずつ上のステージを目指していきましょうよ。それが成長というものよ、きっと。

冴沢鐘己

・5月3日(火)大阪忍ヶ丘駅前「盲導犬育成チャリティーライブ」
出演:TIME FOR LOVE、BBガールズ、籾井優里奈、あきっすん
・5月4日(水)京都 大宮駅前「大宮グッドフェスティバル」
出演:TIME FOR LOVE、BBガールズ、籾井優里奈、あきっすん
・5月5日(木)大阪ガスハグミュージアム「スマイルフェスタ」
出演:TIME FOR LOVE、籾井優里奈、安部美香
・5月14日(土)京都 ゼスト御池「わくわくシティーパーク」
出演:TIME FOR LOVE、BBガールズ、安部美香、あきっすん、山下圭志、曽我未知子、西村美紀、如月凛、伊藤直輝

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発行:特定非営利活動法人エフエム・ギグ(fm GIG)
編集責任:冴沢鐘己、曽我未知子

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