そんなある時期に、衝撃的な出来事が連発する。いつものように営業をしていると、久々にお会いしたお客様が激痩せ、別人化しているではないか。割腹の良い90キロほどあった社長が、スリム化して少年のようになっている。何が起きたのかわからなかった。聴けば現在68キロだという。貫禄のある大社長が一転、フレッシュマンのように見えた。
「どうしたんですか?」と聴くと、
「肉体改造計画ですわ」と一言。びっくりした。びっくりして言葉も出なかった。
さらに、別のお客様のところに行くとまたしても社長が別人化、これまた90キロ近くあった方なのだが、68キロになったという。社長にどことなく顔が似ていたので、弟さんか、親族の方だと思い、恐る恐る、〇〇社長様は?と聞いてみると、
「毎度!」えっ?しゃ、社長ですか?
「あっ、はい。」
「えつ、どっ、どないしはったんですか?」
「えっ?何が?」
「いやいや、別人やないですか?」
「ああ、ちょっと謎の味覚障害で味がわからんようなってもうて、あんまり食べへんかったら痩せてもうたんですわ。」びっくりした。それこそ言葉が出なかった。
さらにさらに、2度あることは3度ある?いつも作業着で、まるまるお太りになられた社長様が、おしゃれにカジュアルな普段着で現れた。これまた思いっきり痩せているではないか。
えっ、えっ? また?
「一体どうしたんですか?」
「あっ、これ? いや、ちょっとジム行き始めて。」
「えっ、全く別人じゃないですか?」
「そう? わかる?」
「いやいやいや、わかるどころ違いますよ。まったく別人やないですか? めちゃめちゃイケてますよ!」
「ほんまぁ? ありがとう!」
心底びっくりした。こう連続して次々と別人化する人をみると、何やら心が揺さぶられる。
「いいなぁ、僕もそんな風に別人化したいなぁ、てゆか、できるかも?」素直にこう思った。
内田達雄
Tatsuo Uchida
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