週刊GIGマガジン

週間GIGマガジン 2016年04月11日号 vol.2

自分探しと幸福論~愛想笑いという壁~

2016年04月11日 22:18 by osaki_misuzu
2016年04月11日 22:18 by osaki_misuzu

「愛想笑い」という防御スキルを手に入れたのはいつの頃からだろう?子供の頃は、喜怒哀楽を自由に表現できたし、周りの顔色を見なくても自分は愛されているのだと自信を持っていられた。そんな自由な自分でいられたのは中二くらいまでだろうか。

 思春期の私の中での選択肢は二つ「話を合わせてみんなと仲良くする」か「友達なんかいなくても平気」という空気を出すか。本当はそんな両極端な結論を出す必要もないのだけれど、若気の至りの思考というところだろうか。かといってクラスの中心人物になって、たくさんの敵と味方を作る勇気などもなったわけで。とにかく、友達がいないのは学生としては辛い毎日がやってくるのは目に見えていたことだし、なんとなく話を合わせて、うまくやっていこうと思ったのが高校生になったばかりの春の頃だった。

 悲しいかな私はとても目立つ。なぜ目立つのかはここでは触れないが、とにかく目立ってしまうというのが最大の悩みでもあった。自然とクラスの中でも目立つグループの女子に声をかけられるのだが、流行り物や惚れた腫れたに興味がない私にとっては、それはそれで辛い毎日だった。どんどん自分を偽る、「嘘をつく」「見栄をはる」自分は最先端の女子高生だと競い合うグループのドロドロした女の世界に引きずり込まれていく。なんとか目立つグループで地味になろうとよくわからない努力をしてみたりもした。しかし徐々に私は、彼女たちの言動に同意することすら苦痛になってきて「はい」でも「いいえ」でもない「愛想笑い」という自衛の策を高一の秋頃に編み出した。愛想笑いをしながら同級生の女子たちを見下すことで自我のバランスをとるようになったのもこの頃だった。私は、ここを出たらあなたたちとは違う道を歩むのだと、自分に言い聞かせていた。

 

多崎 美寿々



関連記事

愛と笑いをお届けする歌姫・あきの幸せになる50の方法〜その40

2017年05月号 vol.50

打ち上げでした♪

2017年04月号 vol.49

愛と笑いをお届けする歌姫・あきの幸せになる50の方法〜その39

2017年04月号 vol.49

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

2017年05月号 vol.50

今回はかなり発行に時間がかかっていましました。 新たなプロジェクトが着々と進行…

2017年04月号 vol.49

間もなくGWですね! みなさんのご予定はいかがですか? fmGIGはいつも通り…

2017年04月号 vol.48

京都の桜は満開を過ぎ、散りつつあります。 今年も綺麗な桜が見られて幸せな気持ち…