著作権絡みの話題が広く一般の人の口にも登るようになったのはおそらく2000年代初頭あたりかな。パソコンとインターネットがずいぶん普及して、個人でホームページやブログを立ち上げ、さまざまな情報発信が自由にできるようになったあたり。
ちょうどfm GIGを立ち上げたのもその頃で、だからいろいろよく覚えてるのよね。CCCDだったりP2PだったりMIDIだったりの大騒動。どれも今では死語に近い存在になってるけど。
その後YouTubeの登場でまたひと盛り上がりあって、インタラクティブ配信だとか包括契約だとかうんぬんかんぬん。法律の専門家からアーティストからごく普通の一般ユーザーまで様々な意見や主張が飛び交う中、僕がずっと感じていたのは「うねりだしたら流れは止まらない」ってことなのね。
めんどくさいから、専門的な話は抜きにするよ。
コピーコントロールCDなるものが出現した時に、自分で買ったCDがパソコンに取り込めないなんて、なんてメンドウで理不尽なんだと感じたひとが多くて、いつのまにか消えて。
YouTubeが登場した時に、これはなんて素晴らしいんだ!こんなのを待ってたんだ!と思ってたら、どんどん規制がかかって見たい映像が見れなくなってさ。それでも「ああいうのが見たい」という願望は抑えられないから、いくつかの幻の映像は正式に発売や放映が実現し、正式には見れないものでも、なんだかんだといたちごっこのように今でも見れたりするのよね。
そもそも音楽も映像も、ラジオやテレビを通して、ずっとタダで見たり聞いたりできるものだったのよ。その中で、特にお気に入りが出てきた時に、レコードを買ったり映画や舞台、コンサートを見に行ったのよね。そして、それでアーティストも会社もちゃんと成り立っていたはずなのよね。
いつからそのシステムが成立しなくなったのか。音楽や映像を楽しむ時に、なんでいちいちユーザーが著作権に気を使わなきゃいけなくなったのか。
どうするのが正しい答えなのかは、おそらくもうちょっと時間の審判をまたなきゃいけないんだろうけど、とりあえず僕は僕なりの価値観でこの問題を考えたいと思うのね。
そんなわけで、僕が運営するCDレーベル「PALMTONE RECORDS」で管理する楽曲は、ひとまず「演奏権」をフリーにしています。「夜明けのムーンシャイナー」も「風のファンタジスタ」も「虹色のパレード」も、自由に歌ったり演奏したりしてくださいな。もちろん有料のライブでも教室なんかで教材で使うのも同じ。どこにも一銭も払わなくていいよ。ラジオやテレビ、カラオケなんかからは、業者からちゃんと利用料が入ってくるから気にしないで。
そのかわり、ほんとに気に入ったらCDを買ってね。でも、誰かからコピーしてくれても気にしないよ。覚えて歌ってくれたら嬉しい。
そのうちどれかが大ヒットしたとき、僕が手のひら返しみたいなことをしたら、この記事を僕に送りつけて「あなた、変わったわ」って詰め寄ってくださいな。
冴沢鐘己
・2月26日(日)大阪 門真Ps Cafe「天パー祭り」
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